普通の人の投資と読書@シンガポール

普通の人(@シンガポール)が投資と読書を気ままに綴る

普通の人の投資の王道 虎の巻32  投資の意義

前回から、最終章として「投資の思想」について語ってきました。

 

前回の終わりに触れた投資の意義を深堀したいと思います。

 

1.投資のもともとの意義;「応援すること」/「成長を助けること」→今日もココ

2.投資の資源分配   ;「資源の最適分配」

3.投資の最終ゴール  ;「Win-Winの関係を築くこと」

 

投資の意味は?

「投資」という行為は、根源的には「何かに資源を費やして成長させてリターンを得るために行う」行為です。「何を」成長させるかという社会的な意味を少し考えたいと思います。

 

自分の資産で、その金融商品を買うことは実は「その金融商品の裏にあるモノ・コトへお金を出すことで成長を促している」のです。

 

分かりやすい例は、株式投資です。地域社会や環境に配慮した経営をしている飲料会社Aと、とにかく儲かるのが第一で従業員を酷使して環境破壊もいとわない飲料会社Bの2つがあったとします。業績という点では会社Aに比べて、利益率や売上の伸び率は会社Bの方がよく、金融商品としては会社Bの株を買った方がリターンは良さそうです。なので、資産形成という意味で会社Bへ投資するのは普通の行為です。

 

ただ、投資の社会的な意味から考えると、あなたは会社Aよりも会社Bの成長を促すように、自分の資産を分配していることになります。これあなたの思想や信念にフィットしていますか?というになります。また、本当に従業員を酷使している会社Bが中長期的に成長すると思いますか?という問いになります。

 

投資することの社会的な意義としては、その会社自体を「応援して成長を助けている」のです。

 

中長期だからバランスを取れる「正しさ」と成長・リーターン

何度も同じことを言っていますが、普通の人の資産形成の為の投資は中長期のスパンで行えます。

 

短期的なリターンを意識・期待して投資すると上記の例だと会社Bへ投資せざるを得ない状況も出てきます。でも、中長期であれば、最終的に生き残り成長するのは従業員、地域社会、環境に配慮した会社となると考えれば会社Aへ投資できます。

 

また、このように従業員、社会、地域、環境に配慮する企業へ投資する(いわゆるESG投資*)が中長期でリターンが安定して高いと最近は考えられています。この理論的な説明やデータは色々と研究されていますので、専門家の方々に譲るとして感覚的には理解できるような気がします。

 

*ESG投資; 環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資のことを指します。ESG投資(METI/経済産業省)

 

なので、「普通の投資家」としては、腰を据えて長期的に「正しい」ことをしているモノ・コトへ投資するのがよいのではないかと私は考えています。これはあくまで個人的な信念・思想です。「何が正しいか」「何に重きを置くか」は人それぞれです。環境を重視する人もいれば、従業員の幸せやガバナンスを大切にする人もいると思います。これが、まさに「投資の思想」です。

 

まとめると

「投資」することは、「その金融商品の裏にあるモノ・コトへお金を供給ことで成長を促して」います。中長期の「普通の人の投資の王道」であれば、各人が「正しい」と信じるモノ・コトを応援すべく投資するのがいいのではないかと思っています。「何が正しいか」が、あなたの投資の思想の中心になります。