普通の人の投資の王道 虎の巻29 普通の人の金融資産
普通の人の投資王道と称して、だいぶ長ーく語ってきました。
で、ふと、そういえばそもそも普通の人(この場合、平均的な人)がどれくらい、どのように金融資産へ投資しているか?って考えたことありませんでした。
いくつかのソースで日本人の平均金融資産を調べてみました。
金融資産
どんな金融資産をどれくらい保有している?|公益財団法人 生命保険文化センター
資金循環日欧米比較
https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjhiq.pdf
みずほ信託不動産マーケットレポート
http://www.tmri.co.jp/report_market/pdf/market_report1311.pdf
金融資産(除く不動産)としては2000兆円。世帯平均で1100万円。
内訳は現金52%、保険30%、株式/投信/債券15%、他3%
この金融資産に不動産資産を入れると、世帯平均で3500万円。
内訳は土地資産2000万円、建物資産500万円、金融資産1000万円。
土地資産57%、建物資産14%、金融資産29%(内、現金14%、保険9%、他5%)。
王道のポートフォリオと比べると、、、
この結果を、おすすめのポートフォリオと比較すると下記のとおりです。
王道ポートフォリオ;株式25%、債券25%、リート25%、現金25%
日本人平均資産 ;不動産71%、現金14%、保険9%、他(株式/債券等)5%
日本人がいかに不動産という資産に偏っているかよく分かります。平気で数千万のローン を組んで、不動産を買っているので、まぁこのようになります。
不動産は実用的に「住む」という機能があるので購入することを否定しませんが、資産形成をしていく上で、「今、本当に住宅を借金をしてまで購入する必要があるか」はよく考えた方が賢明です。
保険、、、資産の9%
不動産/現金に次いで普通の人が投資しているのが保険です。保険も医療/終身/学資など、多様な種類があり、どれも万が一の「保険」という機能があるので毎月数万円を保険へ投資している、というのが実態と思います。
社会人になると、定期的に何らかのルートで営業がくるので、「老後や万が一を考えると保険に入っておくか」と特に能動的に動かなくても保険へ投資する仕組みが日本では出来上がっています。
中長期で資産形成をしていく上で、本当に保険に厚く投資するのが得でしょうか?
日本の保険の利回りは非常に低いです(終身保険でおよそ0.25-0.5%)。日本が超低金利社会に入っていますので金融資産としての利回りはほぼ期待できません。
この状況下で、金融商品としての魅力は日本の保険にはありません。。。保険の実際的な機能(万が一の際に支払いがある)を目的としているのであれば掛け捨て型で支払いを最低限に抑えた方が賢明です。
その他(株式/債券等)が資産の5%は低すぎるような、、、
マイホームのために実物不動産へ借金して投資。
営業にきた保険業者に言われるまま保険へ投資。
あとは、万が一の現金預金を銀行へ預ける(投資)。
結果、まともに株式/債券へ投資するお金が残っていないのが今の普通の人の投資状況と思います。
「貯蓄から投資へ」みたいなスローガンをもって、「何でもかんでも株式や債券へ投資するべき」というつもりは全くないです。
実物の不動産よりリスクを分散できて低くできる不動産投資はリートです。
保険に比べて、リスクはありますが、投資効率がいい(金融商品が値上がりして、利回りも高い)のは株式/債券です。
株式/債券/リートへ投資が5%という今の日本人平均資産ポートフォリオは「中長期で資産形成するのに効率が悪い」と言わざるを得ない状態です。5%は低すぎる、、、かと。
結論としては、
今一度、自分の金融資産のポートフォリオを把握してみましょう。
どの資産にどれだけ投資しているのが冷静に捉えることが重要です。
すでに住宅を購入して、保険にもガッチリ入っており、すぐにはポートフォリオを組みなおせない状態のこともあると思います。そしたら、少しづつポートフォリオをシフトすることです。保険の満期のタイミングで見直したり、持っている預金から株式/債券への積み立て投資を始めたり、「塵も積もれば山となる」方式で変えていけば中長期では、もっとお金が殖えるようになると思います。
中長期的にお金が殖えるようにバランスよく投資する。これが、普通の人の投資の王道の前提として必要です。
まだまだ、よもやま話です。次は、テーマ株!