普通の人の投資と読書@シンガポール

普通の人(@シンガポール)が投資と読書を気ままに綴る

普通の人の投資の王道 虎の巻28 横道 PBR、β、ROE

前回に続いて投資指標です。

 

本質投資の際に触れたバリュー投資やグロース投資で出てきた下記の4つ指標についての続きとなります。

  1. EPS(Earnings Per Share);1株当たりの当期純利益
  2. PER(Price / Earning Ratio);株価収益率
  3. PBR  (Price / Book Ratio);株価純資産倍率   →本日
  4. β      (ベータ)             →本日
  5. ROE(Returen on equity);自己資本利益率  →本日

 

おさらいです

指標は英語のまま意味を考える。

EPSはEarnings Per Shareで一株でいくら稼いでいるか。PERは「Price÷Earning」で1利益にいくら支払っているか。

 

ではPBR

PBRは何を意味するでしょうか?

  

Price Book-value Ratioは、1株当たりの「株価÷純資産」です。

今、会社が解散したときに残る資産と株価の関係を表しています。 

 

1倍以下であれば、「その会社を解散して株主で資産を分けたら儲けが出ます」ので、お買い得(底値)の判断基準となります。

 

では、β (ベータ)?

βはベータです。何の略でもないのであれですが、、、

    

野村先生に登場してもらいます。

β|証券用語解説集|野村證券

 

個別証券(あるいはポートフォリオ)の収益が証券市場全体の動きに対してどの程度敏感に反応して変動するかを示す数値で、現代ポートフォリオ理論でよく用いられる。
β=個別証券のリターン÷市場全体のリターン

 

 さすが、硬派です。もう少し、噛み砕きますね。個別の株(或いは特定の投信)と市場平均の変動率の関係を表しています。例えば、個別株Aと日経平均(市場平均)の関係で、日経が1年間で10%上昇したときに、株Aが20%上昇していればベータは2.0です。日経が1年間で10%上昇したときに、株Aが-10%減少していればベータは-1.0です。

 

ということで、個別株が市場平均に対してどれくらい上がるか、下がるかの幅と性質をベータは示しています。

 

なぜ、βを見るのか?

ポートフォリオを組むときに、市場が好況/不況により敏感に反応するのか、市場と逆の動きをするのかを見極める意味でこのβは非常に便利だからです。

 

最後にROE!

Returen on equityです。「利益on資本」で「利益÷資本」。つまり、「自己資本1単価あたりで利益をどれだけ稼げていますか?」という事です。 

 

この比率が高ければ高いほど、その会社は今ある資本で効率的に稼げている(投資効率が良い)ことになります。

 

簡単な例です。

 企業A;自己資本100万円、純利益10万円;ROE 10%

 企業B;自己資本500万円、純利益20万円;ROE  4%

 

利益だけ見ると企業Bの方がいいですが、投下している資本に対しての稼ぎ(ROE)は企業Aの方がいいです。なので、企業Aの方が効率的な稼ぎ方をしているという事ができます。

 

 これらの指標が読めるようになると、投資の判断の幅が広がります。あと、新聞を読んでてもよく出てきますので、理解を深めながら記事を読むことができます。

普通の人の投資の王道 虎の巻27 脇道 EPS、PER

軽い話題の第2弾です。

 

本質投資の際に触れたバリュー投資やグロース投資で出てきた指標について、軽ーく触れたいと思います。下記の基本の4つです。

  1. EPS(Earnings Per Share);1株当たりの当期純利益
  2. PER(Price / Earning Ratio);株価収益率
  3. PBR  (Price / Book Ratio);株価純資産倍率 
  4. β      (ベータ)
  5. ROE(Returen on equity);自己資本利益率

 

指標は覚えにくい、、、

大学のころよく思っていました。投資の指標って覚えにくい(笑

 

EPS、PER、あれ、あとBPRだっけ。PERだっけ。EORだっけ。。。

 

 そもそも、このPER=株価収益率ってなんだ?みたいな。高いといいのか、低いといいのかなんだっけっとバカ丸出しで混乱して、よくググって調べていました。

 

英語で考える、意味を考えると、覚えなくても自然にわかる

ある時、ふっと神が下りてきて、指標が自然に分かり、使えるようになりました(嘘

 

ある時、気づきました。あ、この指標は英語だから英語で考えればいいんだっと。

 

EPSは「一株当たりの当期純利益」と考えてもよく分かりません、且、頭に入りません。EPSは、「Earnings Per Share」です。意訳すると「利益@1株」で、「1株でいくら稼いだか」です。

 

このEPSの意味が分かりますか?

  

EPSは、「会社の総利益を世の中にある株式数」で割ります。そうすると「1株でいくら稼ぐか」が出てきます。この意味は、「1株の価値を稼げる利益」で普遍的に比べようとしています。

 

株の発行数が多かろうが、少なかろうが、会社の規模が大きく利益が大きかろうが、小さかろうが、「1株でいくら稼げますか?」は共通の物差しになりえます。

 

1株で稼ぐ金額が大きければ大きいほど、その株の価値は高いことになります。

株の価値は中長期で「稼げる利益」によって決まります。つまり、今の株価をじとーと眺めるよりも、EPSの方が簡単にフェアにApple to Appleで株を比べることができるのです。

  

じゃ、PERとは?

PER;株価収益率です。株価収益率という日本語は忘れてください。

 

Price / Earnings Ratio」です。意訳すると「価格/利益」で「1ドル(円)の利益を得るのにいくら払いますか?」です。

    

うん?「1ドル(円)の利益を得るのにいくら払いますか?」って何と思ったかと。段階を踏んで話します。

 

Priceは、ずばり「1株の株価」です。

Earningsは「1株の利益です(そうEPS)」です。で、そのRatio「割合」です。

 ⇒「1株の株価」/「1株の利益」=Price / Earnings Ratio

 

今の1株価を、1株の利益で割ると何になるか?

「1ドル(利益)あたりの株価」です。「今期の利益@一株に、いまみんないくら支払っているか@一株」ってことです。

 

仮に、すべての利益が配当であなたの元に帰ってくるとすると、「何年後にあなたの投資はチャラパーになりますか?」という問いになります。

 

具体的に説明します。

 

 株式会社A

 >株式発行数:10株

 >株価@1株:1000円

 >今期の利益:50円

 

指標を計算すると下記です。

 >EPS;利益50円÷株数10=50円(1株当たりの利益)

 >PER;一株の株価1000円÷一株の利益50円=20倍(1利益あたり20円価格)

 

EPSの意味は、この株式会社Aは1株で50円稼げます!

PERの意味は、この株式会社Aが1円稼ぐのに、市場でみんな20円払っています(20倍)。で、もう少し見方を変えると、 この株式会社Aが利益が毎年同じで、利益をすべて株主へ還元(配当)すると、この株を20年間持っているとペイします(配当50円×20年=今の株価1000円)。

 

なので、PERが高ければ高いほど、チャラパーになるまでの年数がながい。株価が比較的割高(みんな今後に期待している)。逆であれば割安です。

 

という事で、PERを見ると1(ドル/円)利益に対してどれだけのお値段支払うか、つまりは今の1株価の何倍の価格を、その株の価値として考えているかをが分かるのです。わかりやすく言えば、「(利益が全部還元されて)何年後にペイするか?」がPER○○倍と表示されています。

 

 だいぶ長くなったので、残りの指標は次回!

 

普通の人の投資の王道 虎の巻26 波乗り投資エキササイズ

延々と「本質投資」を語ってきたので、ここで少し骨休め。

 

骨休めのテーマは「波乗り投資エキササイズ」です。

 

 価格には波がある

ご存じのとおり金融市場には必ず、山あり谷あり、波があります。日々、刻々と状況が変化していく中で事象を織り込んで金融商品の価格が変動しているのです。当たり前ですが。。。

 

で、本質投資でお話しした通り「巨視的な視点(10年以上の長いスパン)」で見るとこの波が、鮮明に大波か小波かわかります。

 

再掲載ですが、例えばS&P500の10年間の波です。 

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例えば17年のように上がり基調の中にも小さなアップ/ダウンがあります。更に、16年初、18年初のようにググと下がり、徐々に戻る中規模の波あり。更には20年初のコロナショックのようにガッツリ下がり、急上昇する大波もあります。

 

大きな波に乗る

10%以上価格が変動した時に「逆張り」するのが大波に乗るコツです。一般的に、投資で波にのる場合、「順張り」ですが普通の人が波に乗るには逆張りです。詳しくはコチラ ↓ 。普通の人は波を読めないので大きな波に逆張りで乗りましょう!という事です。

primereadingbook.hatenablog.com

 

 

波を読み、より多くの波に乗る。そして波にのまれる。

とはいっても、10%以上価格が変動するような局面は非常に限らています。そうすると波に乗るチャンスも限られてきます。投資経験が浅いときは焦らずじっくり「ほったらかす」のを強くお勧めします。

 

だんだん、投資がライフワークとなってきたときに、「そろそろ波にのる回数増やすか!」とサーファーのようなことを思い始めると思います。

 

そしたら、海に出てより多くの「波乗り投資」のエキササイズしてみましょう!

 

で、何するかというと波を読む練習をします。ここで「波を読む」のは短期投資のテクニカル分析ではありません。どちらかというと、マクロでのストーリーを読む方です。

 

半年から1年のスパンで見た時に上がるのか、下がるのか波を考えてみてください。考えるときに当てずっぽうでなく、そのストーリー(理由)を自分の中で思い描いてください。

 

今、20年7月時点ではS&P500は一回ショックで下がって、その後戻しています。3か月後の9月末と、6か月後の20年末(12月31日)は今と比較してどうなっているでしょうか?

 

ランダムウォーク的に言えば「知りません」ですが、今の「3179」より私はともに下がっていると思います。中央銀行金融緩和というカンフル剤が切れてきて、一方で実体経済がコロナ第2波、第3波が襲い掛かり、市場心理が弱くなっているというストーリーを描いているからです。

 

ただ、どうなるかはわかりません(笑

 

なので、大切なのは「この波読み」を基に決して投資してはいけません!!笑、ただひたすら積み立て投資で毎月定期的に買ってください。

 

そして年末に結果を見てみてください。見事に波が外れていることもあれば、当たっていることもあります。実感するのは、波読みがいかに50:50かという事です。普通の投資家の波読みは当たりません。いえ、プロの波読みも当たりません。

 

波読みすると、波に乗れずに、逆に波にのまれるかが身をもって分かります。上記の私のストーリーなんて、何か1つのニュース(例えば米大統領選の波乱、コロナ新薬等)で一気に吹っ飛びます。

 

もし、波読みを10回やって8回当たったら、「普通の人」から「プロの投資家」へ転職されることをお勧めします。

 

ということで、「波乗り投資」のエキササイズの結論は「普通の人の投資の王道」でないです。あまり夢のない事をいってすいません。。。ただ、自分の「目利き力」と「投資経験知」は上がるような気がしています。

 

で、年末まで、結果をクリスマスプレゼントのように楽しみにして待っています!

「3179」の結末はいかに??、年末に報告ですな!

 

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普通の人の投資の王道 虎の巻25 「本質って?」 

延々と「本質投資」を語ってきたので、ここで少し骨休め。

 

骨休めのテーマは「本質ってなに?」です。

わけわからないことを言い出してすいません。本質投資終わったのにまだ、本質かと。。。

 

具体例を使って少し「本質」について補足をしたいと思っています。

 

 本質って何度も、、、

ビジネスモデルだ、ファンダメンタルズだ、巨視的な視点だと、「本質」を見極めるための指標や手法についていろいろと言いました。

 

が、本質って、もっとシンプルです(笑

 

「モト(素地)」が良いものってことです。

普通であって、自然であって、ちゃんとしているモノです。

 

人間関係で例えると友人になる人ってどんな人ですか?

地元が同じ、気が合う、話が合う、一緒にいて楽しい、学びがある等々あると思いますが、もっと基本的なことに立ち返ると、「信頼できるとか」「相手のことを考えられるとか」すごくベーシックなところに行きつきませんか?

 

飲み会の時間に毎度遅刻してい来る、平気で他人の悪口を言うとか、人として信頼できない時になかなかこの人と親しくなろう!ってならないですよね。

 

ここでいったん、 投資に少しだけ話を戻すと 投資する商品が「信頼に足るか」。これが「本質」への投資基準だと思います。

 

本能レベルではわかっているが、、、

人間関係の例でいえば、当たり前すぎてわざわざ言語化するまでもなく、本能的に無意識のレベルで、親しくなりたい人かどうかを判別しています。明確な指標とか手法とかなくても、自分の中で経験を基に自然に判断できているのです(もちろん、たまにその判断は間違っていることを後で反省しますが、、、笑) 

 

これが投資となると、特に普通の人は戸惑います。何がいいだろう?って。

 

なぜか?

 

答えはシンプルです。経験がないからです。

 

人間関係は自我が芽生えてから少なくとも5年、長い方ですと生まれてこのかた数十年は積み重ねてきた経験がありますので、「何となくの感覚」でほぼ正しく判断できます。

 

一方で、投資となると、プロ/玄人の方を除いて、普通の人は経験値ゼロです。そりゃ、戸惑います。学生時代に投資の教育や経験を積んでいる方は少ないので、社会人でもほぼ赤ちゃんのような状態で、生存競争が激しいサバンナに送り込まれているのです。

 

結果、混乱してよくわからず投資するという暴走するか、投資を恐れて穴倉から出てこないで一切投資しないか(銀行定期預金しかしない)。どちらかで、どちらも普通の人として資産形成する上での結果は無残なものになります。

 

経験がないため本能的/感覚的には分からない「投資の本質」を見極めるための指標を過去の先人たちが気づいてきた論理や考え方をしっかりと学ぶ必要があるのです。その上で、自分の中で言語化、数値化して、経験がない分を補わないといけないのです。

 

消化していない鵜呑みが一番危険

少なくとも、今、この文章を読んでいるあなたは 投資について能動的に動いているので、サバンナに放り出された赤子と違い、知恵と武器を持っている方と思います。

 

なので、そんなに心配していませんが、最も危険なのが単一の投資手法や考えを鵜呑みして、そのままやることです。或いは、誰かの勧めでそれを鵜呑みにすることです。

    

「本質」を自分で考えないで理解せずに投資すれば失敗します。

 

偉そうに言ってすいません。私は10年以上の投資経験でおそらく失敗のほうが多くしてきました。なので、偉そうに「これはダメだ」なんて言える立場にないのですが、一つ確実に言えるのは、私が繰り返してきた「本質を自分で考えないで理解せずに投資すれば失敗する」ということは、胸を張って言えます(ホントは胸張っちゃいかんのですが)。

 

なぜなら、私が失敗した投資はほぼ 100%、「何となく良さそう」或いは、「この本やこの理論でこういっている」という、自分で本質を理解しきれていないでやった案件だからです。

 

特定の理論、考え方、投資スタイルがあっているとか、間違っているという事でなく、自分で消化して本質を捉えられていないから失敗しているのです。

 

その意味では、この「普通の人の投資の王道」も、当たり前ですが100%成功する方法ではありません。私が経験し、学んだ「投資の本質」を基に普通の人でも中長期で中長期で成功しやすい考え方やスタイルを紹介しているので、環境や時代が変われば、通じなくなったり、もっといい方法が出てくると思います。

 

なので、逆説的(?)ですが、ご紹介した「本質投資」も、このスタイルの本質を見極めてください(笑。ご自身で理解して、消化して、自身に合う部分や使える部分を活用して「ご自身の投資の王道」に役立てていただければ。

 

まだまだ勉強中なので、偉そうなこと言えませんが、「本質は変わらない」「本質的にいいモノは中長期的にもいいものである」は投資の原理原則と思っています。

 

次は波乗りです

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普通の人の投資の王道 虎の巻24 実践③ まとめ

長かった「本質投資」の締めです。

 

サマると、、

本質投資とは「本質的に優れたモノ」に投資するスタイルで3つの指標で測ります。

①ビジネスモデルとその持続性;国や企業がどうやって価値を提供し、儲けているか

②ファンダメンタルズ;国や企業の基礎体力、その競争条件

③中長期の値動き  ;巨視的に20/30年のスパンで成長やトレンドをみる

 

繰り返し触れてきたように国や 企業の価値を測る絶対の物差しはないです。今の価格は必ずしもその本質的な価値を表していません。上記3つの指標は「中長期で成長する本質的な価値があるモノ」を見つける道標と思います。

 

 道標を見つけるジャーニー

これが絶対とは思っていないので試行錯誤しながら見直し、改善をしています。自分で「本当に価値があるモノ」を見つけようとする過程は面白いですよ。目利きのようなものです。人生でいろいろと目利きが必要になる場面ありますが(例えば八百屋でいい大根を選ぶのも、面接で人を選ぶのも、デートで使うレストランを選ぶのも)、投資もその本質は目利きです。

 

投資対象の価値を目利き力で見極めて、それに自分で値付けするのが投資です。

 

「分散投資」「逆張り投資」との関係

実践編①分散投資と②逆張り投資は表裏一体といってきました。では、この2つの投資スタイルと本質投資はどう関係しているのでしょうか?

 

答えはシンプルです。三位一体です(笑

①インデックスで分散投資、積み立て購入

②値が以上に下がった時、上がった時に逆張りで投資(下落で買う、上昇で売る)

③そもそも、投資するインデックスを見極めるときに「本質投資」

 *株投資信託は、今のところ本質的価値で測るとアメリカ株(S&P500)と思っています

 

で、更に中上級者で個別株を買うときには「本質投資」が更に活きてきます。ただ、普通の人の投資の王道では、まずはインデックスをお勧めしますので、ここではあまり深く立ち入りません。

 

実践編の3本柱のまとめ~「分散投資」「逆張り投資」「本質投資」~

「普通の人の投資の王道の実践としては、この3本柱を持って時に激情に駆られて激しく動くボラタイルなマーケットで、中長期で安定的に資産形成をしていきましょう」というのがまとめになります。

 

5年間くらい普通の人の投資の王道を続けるとその間に危機が1度ぐらいあります。そこで経験値が上がります。レベルアップして、少し投資が好きになってきたら、あなたはもう中級者です。「普通の人(中級)の投資」で、もう少しポートフォリオの組み方を変える(現金比率を下げる等)を積極的にしてもいいと思います。

 

更に、10年ぐらいたって、投資が何となく見えてきてライフワークになった方。はい、あなたは「普通の人(上級)の投資」で、ポートフォリオの見直しの頻度をあげたり、個別株といったディープな投資の世界へどうぞ!

注意したいのは勝っているからといって原理原則を忘れないことです。我々は所詮、「普通の」投資家です。「プロ」にはまともにいったら勝てないことをしっかりと心に刻み、実践編で口酸っぱくいった「普通の人の投資の王道」のディシプリンをまもって楽しく投資をしていきましょう。

 

そして、「いや、そういう面倒な投資はしたくない」というあなた。はい、そのまま普通の人の王道を突っ走ってください。王道を続ければ、15年後には明るい未来がありますのでそれはそれでありです。

 

実践編を無事に(?)終えましたので、軽い話題を挟んだ後に、「投資の思想編」に移りたいと思います。

 

では! 

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普通の人の投資の王道 虎の巻23 実践③ 本質投資 中長期の値動き

さて、どんどんとマニアックな方向に行っている本質投資ですが、今回が最終回。 最後が一番、しっくりくる(わかりやすい)と思います。

 

復習ですが本質投資とは「本質的に優れたモノ」に投資するスタイルで3つの指標で測ります。

①ビジネスモデルとその持続性

②ファンダメンタルズ

③中長期の値動き      →今日はここ

  

ビジネスモデルやファンだメンタルズは、ビジネスモデルの理解、競争環境、財務分析、経済状況などマーケティング/ファイナンス/経済の素養が必要で、時間がかかるものでした。今日はもっとストレートです。

 

中長期の値動き

バリュー投資で割安/割高をどうやって判断するかというお話をしました。バリュー投資の指標は直近の価格やパフォーマンスで割安/割高を判断します。

 

で、普通の人の投資では、もっと足の長い投資をするので巨視的な視点で「価格」を見ようというのが今回の「中長期の値動き」の趣旨です。

 

投資をやり始めると日々の価格が気になって、上がった下がったで一喜一憂します。でも、そのUp/Downはもっと時間軸を引いてみると、大きなトレンドの中での小さな波であることがよくわかります。

 

具体的にS&P500の2020年7月を起点とした過去の値動きです。

 

S&P500過去1か月

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前半に一山ありますが、おおむね上がっているように見えます。

 

S&P500過去1年

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コロナショックの深い谷があるものの、その後回復して20年7月時点ではほぼ19年末以上のレベルに戻っています。

 

S&P500過去5年 

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 16年からコロナショックまでほぼ右肩上がりです。

 

過去15年

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リーマンショックの谷の後で一貫して価格が上がっていることがよくわかります。コロナショック後の価格も、実はリーマンショックのころの価格に比べればはるかに高いレベルであることがよくわかります。

 

S&P500過去90年

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すごいスケールで成長しているのがよくわかります。また、コロナの谷なんて過去の変動に比べると大したことない(というか、もう見えないぐらいの小さな波である)事がよくわかります。

 

という事で、時間軸をどんどん長くすればするほどトレンドがクリアーになります。また、それぞれの事象での影響度(Up/Downの波の大きさ)がよりはっきりとします。

 

巨視的な視点をどう使うか?

長いスパンで見れば見るほど、本質的な価値がよくわかります。上記の例ですとアメリカとアメリカ企業がいかに第1大戦後1920年から現在に至るまで成長を続けて、世界で最も大きくなった経済であることが分かります。

 

ここからいえることは、アメリカとアメリカ企業は成長し続けてきた国の一つであり、「本質的に優れている」とある程度判断できます。

 

アメリカびいきでないか、といわれそうなので、我らが日経225と比較すると一目両全です。

 

日経225の過去60年(それ以前が比較可能な形ではYahoo finanaceになし)

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高い頂のある1989年のバブルから日本は成長していません。株価が上がっていないだけなのですが、日本経済と日本企業の成長(とその期待)がもろに株価に現れているのです。で、今やっと失われた30年の時を経て、バブルという山の裾野へ到着しています。ここから日本が再び成長できるのか、今、日本の真価(本質的な価値)が問われています。

 
最後にアジアの奇跡シンガポールSTIです、

 

略30年のSTI値動き

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 実はシンガポールも岐路に立っています。1980年代からの高成長が終わり、リーマンショックの後は、中/低成長の経済構造へとシフトしております。STIがきれいにそれを表しています。それが2010年から2020年の10年でSTIが大きくは伸びていないことから分かります。

 

株価が経済のすべてを反映しているとは思いませんが、巨視的に見た時にマーケットは効率的に動いていて「儲かるところ」「成長していることろ」にお金が集まるようになっています。5年、10年、15年、20年ぐらいを振りかえってその国/企業が成長しているのか、その途中か、それとも止まったのか、下がり基調なのかを見極めると、「本質的に価値のあるモノ」自然と見えてきます。

 

 インデックス投資でも、個別投資でも必ず投資前に「5年、10年、15年、20年」を振りかえってみてください。振り返る際は必ず「谷;危機時」をスコープに入れてみてください。リーマンショックの後2010年からだけで10年を振り返ると概ねどこも成長しているように見えますが、リーマンショックを入れてみると、波の大小やトレンドがよりよく見えてきます。

 

ということで、中長期の値動きを必ずチェックしてください。簡単にYahoo finanaceやロイターのサイトで見れますので! では、次回は「本質投資のまとめ」です

primereadingbook.hatenablog.com

 

普通の人の投資の王道 虎の巻22 実践③ 本質投資 ファンダメンタルズ

本質投資の神髄①はビジネスモデルとその持続性でした。

 

今回は神髄その②ファンダメンタルズです。

 

一応、復習で本質投資とは「本質的に優れたモノ」に投資するスタイル。で、「本質的に優れたモノ」の指標が①ビジネスモデルとその持続性②ファンダメンタルズ③中長期の値動きです。

 

ビジネスモデルとは「どうやって価値提供して、どうやってお金を稼ぐか」これが中長期での価値/利益の源泉となり成長を大きく左右するので、自分の頭で理解して投資しましょう、ということでした。

 

ファンダメンタルズって? 

 で、本題のファンダメンタルズです。野村先生↓です。

https://www.nomura.co.jp/terms/japan/hu/fundame_a.html

 

経済活動等の状況を示す基礎的な要因をもとに分析すること。

 

さすが、硬派です。ちょっとわかりにくい。もう少し噛み砕くと国の例ですと経済成長率、物価上昇率、財政収支など。企業の例だと、売上高や利益といった業績や資産、負債などの財務状況などです。要は、「基本的な条件や体力」のこと。これが、ファンダメンタルズ。

 

 なぜ、本質的な価値を見極めるのにファンダメンタルズが重要か?

基本的な競争条件が違うと、ビジネスモデルが優れていても長期的に成長したり、勝ちにくいからです。

 

例えば、向かい風10メールと追い風10メートルで100m走をやったら同じ選手でも記録は大きく変わりますよね。或いは、持ちタイムは同じでも、病弱な選手と健康な選手で毎日100m走をして平均タイムを競ったらどっちが勝ちそうか、予測つきますよね。

 

という事で、基本的な条件/体力が大きく、本質的な価値に影響するのです。

 

ファンダメンタルズ分析はどうする?

ファンダメンタルズ分析で具体的に何を見ればいいの?となると思います。一般的には財務分析です。財務的な観点から健全性や安定性などを分析します。

 

が、普通の人の投資の王道で個別株ファンダメンタルズ分析は下記のポイントです。

  1. 過去5年間の儲け ; 利益額/利益率の推移
  2. 危機時の儲け   ; 東日本大震災、リーマンショック時の利益額/率
  3. 負債とキャッシュ  ; 自己資本比率、キャッシュフロー

で、実はあまり細かくやるのが(私にとっては)面倒なので、さささっと見るぐらいしかしてません。。横着してすいません。ポイントは、①会社が過去の厳しい時期に、②いかに利益を確保しているか(損益分岐点が低いか)と、③潤沢なキャッシュがあるかです。

 

個別株でなく、Index投資であれば下記のような各国の基礎体力チェックです。

  1. 金利/為替
  2. 経済成長率
  3. 物価上昇率
  4. 貿易収支(や外貨預金)
  5. 人口動態(今後増えるのか、若者が多いか)

Index投資でもそのインデックスの代表的な企業のファンダメンタルを見るとベターです。より理解が深まります。また国で比較する際は先進国の基礎条件/体力はおおよそ一般のイメージと同じです。よくファンダメンタルズを分析したほうが良いのは新興国の際です。この時は時間をかけて国の基礎体力を分析してください。イメージに乗っかると痛い目をみます。

 

では、次は本質投資の第3の指標「中長期の値動き」です

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