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普通の人の投資の王道 虎の巻16 実践② 逆張りの意味

実践編②の第4回です。

 

前回が「怖い、スケベ心がでる、約束守れない」ので、逆張りがうまくできないとお伝えしました。

 

今回は逆張りの意味を考えたいと思います。

意味考えて、「どうすんねん!」という突込みが聞こえてきました。

 

はい、意味が分かると心理的な恐怖やスケベ心をコントロールしやすくなります。つまり、逆張りをスムーズにしやすくなるのです。

 

逆張りの意味

 逆張りってどういうことでしょうか?

 

例えると、夏の花火の帰り道で大衆が駅に向かっているのに、自分一人だけ逆流して花火会場へ向かおうとしている人です。なんだ、それは?

 

例えると、進学高校でみんなが有名大学に向けて受験勉強をしている中で、自分一人だけ服飾専門学校に向けて準備している人です。うん?

 

例えると、会社で新人のほぼ全員が空気を読んで(半強制的に)「ボランティア活動」に参加する中で、ボランティアは「自由意志」と叫んで参加しない新人です。はい!

 

そういうことです。逆張りをするってことは。

 

大多数の人が右に動くときに、あえて左に動く。

市場の多くの人が売るときに、あえて買う。

 

日本人が大好き「空気読む・周りを見る」でなく、「空気を読まないで、唯我独尊で独自路線」を突っ走ることことです。なので、怖かったり、なんだか周りにほのめかされて欲が出て周りに同調したくなったりします。が、それをしないのが逆張りです。

 

逆張りだとプロにも勝てる?!

話しを少し戻します。逆張りの意味は、「市場のマイノリティーとして投資をする」ということです。市場のマジョリティー(大多数のプロ・玄人の投資家)と逆に動きます。

 

だいぶ昔に、Efficeint Market理論というのをご説明しました(↓)

普通の人の投資の王道 虎の巻04 基本概念 Efficient market理論 - 普通の人の投資と読書@シンガポール

これは、市場価格にはありとあらゆる情報が瞬時に反映されており、市場は非常に効率的にできているという考え方です。マジョリティー(大多数のプロ・玄人の投資家)はコンマ一秒を争って価値・価格差を見出し、利益を得ようと取引しています。これは概ね正しいと私は考えています。

 

なので、この非常に効率的に価格が調整されている市場において、普通の投資家(要は素人)が、マジョリティー(大多数のプロ・玄人の投資家)と同じように動いても(要は順張りをする)当然その動きは1秒2秒でなく、1日、1週間、場合によっては1か月ぐらい遅いので、玄人に負けて損をする確率が非常に高いです。 なので順張りは勝てないのです。

 

それで、逆張りなら賢いマジョリティー勝てるか?

 

はい、勝てる確率が高いです。その理由は、10%以上価格差が出ているときは、市場が通常の状態でなく、恐怖にかられた時か、過熱している時だからです。こういったタイミングでは、Efficeint Marketが必ずしも機能していません。言い方を変えると、市場が混乱/過熱しているので、あらゆる情報が瞬時には解釈できずに、価格/価値へうまく反映されていないのです。

 

具体的に言うと、コロナが流行った時に株価へマイナスになることは市場は予期しましたが、どれくらい影響があるかは誰にも判断できませんでした。結果、恐怖に駆られて3週間で30%以上の下落ということになったのです。で、そのあと、各国の政府/中央銀行の政策もあり、実はそんなに影響ないのではと今度は急上昇しました。

 

つまり、”賢い”マジョリティー(大多数のプロ・玄人の投資家)が混乱しているときに動けば、普通の投資家でも勝てるのです。

 

また、所謂、”賢い”マジョリティーの代表格である機関投資家たち(ファンドマネージャー)は他人のお金を預かって運用しているので、様々な制約があります。例えば、一定の以上のリスク(振れ幅)を取れないという縛りがあります。危機時に、株価の振れ幅が増えるとロジカルに行けば売りたくはないが、ルールで売らなければならないという事があります。なので異常なほどに価格が下がるのです。で、みんなが売るので更に価格が下がり、株価の変動幅がより増えるので、より一層売りにかかるといった循環(普通の人にとって最高の買い時!)に入るのです。しかも、順張り投資は、下落局面で売りに入りますので、余計このサイクルが加速します。

 

という事で、10%以上価格差が上下出ているときは、”賢い”マジョリティーの弱点が顕在化する時なのです。逆に言えば、普通の投資家が「マリオのスター状態」で躍動できる数少ないタイミングなのです。

 

これは、投資の賢人 バフェット大先生も同じことを言っています。

”Be fearful when others are greedy and greedy when others are fearful"

 

普通の人の投資の王道的に訳すと、

”期待が渦巻く過熱時にこそ「ビビりの小心者」であれ、恐怖に慄く危機時にこそ「マリオのスター」になれ”

 

この度のコロナ危機で「マリオのスター」になり損ねた人もまだまだチャンスはあるはずなのでじっくり行きましょう! 

 

ではでは。次は「逆張り」最終回です。

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